死刑制度の使い方

光市母子殺人事件の遺族である本村さんの姿をテレビ番組で見た。
理路整然とした話し方に、その内容に現れる言葉の豊かさ。
感情におぼれることなく、自身の思いを主張している姿。
そんな本村さんの話を聞きながら、凄い人だなって思った。

被害者だと言っても、同情ばかりされるわけではないだろう。
事件以来、かなりの苦労をしてきたのではないかと想った。
被害者を守りあう社会は大切だと思わされた。

死刑・・・僕はこの制度には反対だ。だけど、
「命を差し出しても、償わなければならない罪がある。」というような発言を聞いてショックを感じた。
そして、「加害者には犯罪的傾向が残っている。」というような今朝の新聞記事を読んで思った。
この二つの文章に、「罪の償い方と人間が更生する意味」が含まれていると感じた。

「命を落とさなければ償えない罪がある。その残酷さを知って、
犯罪が起こらぬようにする方法を社会は考えなければならない。」
この重い言葉を日本社会のすべての人が受け止めることが必要だ。

人間は更生することができると僕は信じているし、罪は償わなければ社会は成り立たない。

日本は、小さな罪が多発する国だと想う。
万引き、暴力、脅迫、痴漢、ひき逃げ、いじめ、見て見ぬ振り・・・・。

警察権力に犯人が捕まって、初めて罪を犯した自分の行動の愚かさに驚いている。
そんな犯人の姿をテレビ等で見るたびに想う。
正義力とでもいうべき人間の中の抑制力が落ちているのではないかと。
生活環境などがいかにひどくても、他人を傷つけていいわけはない。

犯罪が起らない社会は、自分が自分に勝てる社会でもある。
そんな気がした。