髪を切る理容店はいつも決まっている。
顔馴染みになっているから、気軽に任せておけていい。
いつも何気ない世間話をしながら時間を過ごしている。
カットしてくれる彼は、今のところ独身。
来年3月に結婚すると教えてくれた。
彼の両親も理容店を営んでいるけれど、その店は継がないで独立するんだって。
彼女も同業で二人して新店をオープンさせると希望に燃えていた。
そんなのいいなぁ。
後を継がないのは、それなりの理由があるから。
話を聞くと、それでは継ぐことはできないと納得した。
今、理容師を志す人が減っているらしい。
どちらかというと美容師になりたがるんだって。
この二つ、仕事内容はかなり似ている。というか同じと言えるぐらい。
大きな違いは、理容師は剃刀が使えるけど、美容師は使えないこと。
それなら腕は理容師が上ではないかと思ったりする。
そんな二つの資格の垣根なんて、取ってしまえばいいじゃんね。
理容師になるって、大変らしい。
大抵高卒後すぐに専門学校で勉強する。
と同時に理容店で住み込みで働いたりすることが多いというし。
10代の若い人は、そんな不自由な生活は嫌がるだろう。
遊びたい年頃・・・。
話をしていると、結局、そこで遊んでしまうか技術を身につけるかで、
将来の道に大きな差が出てしまう。(自ら招いた格差だ)
理容業って、収入は悪くないって。
ただ、時間がちょっと窮屈ってことはある。
でも、彼のように腕が良く、彼女もできて結婚するっていうのだから、
やっぱり何でも本人次第なんだろう。
若い人はそこのところを考える力が不足しているのかも。
ついでに書き残しておくと、調理師を目指す人も減っているとか。
派手なことが人気のある現代。
こうした地味な仕事が、人の生活を支えていることも覚えておいて。
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