見つめる視線の先で正しく刻まれるリズムに、ただ一致しようとしている。
向かってくる光に吸いこまれ、意識が呆然と失われていく。
同様なムーブが幾重にも広がり、重なり合うことにもがいている。
すべてを支えようと飛び散る汗と全身のバネが躍動し黒く輝く。
帰ってきた。上を見上げて想った。
戻ってきた。下を見つめて想った。
なぜなんだ。左を眺めて想った。
よかったのか。右に鋭く視線を投げた。
足の裏から頭のてっぺんまで全身全霊をかけて2400の眼に描こうとした。
それは苦闘だった。
何も聞こえなかった。
喜びも感動もなかった。
それは苦闘だったからだ。
そして終わった。
空虚が訪れた。
終わったことを実感した。
2年経過後の闘いは、次のステージへの矢印の意味を持つ。
この瞬間も、立ち去る気持ちは消えていない。
親しい人、愛する人のために、燃え尽きよう。
光の中に、その人の名が確かに煌いていた。
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